私たちは川崎市内最大規模の公有地である、中原区の旧県立職業技術校跡地(1万3千㎡)に、認可保育園とスポーツができる防災公園の整備を提案しています。  その4つの理由は、①防災拠点を存続する、②この県有地の本来目的=青少年の健全育成、③地域の実情(子ども人口増加、保育園や運動広場の不足、④住民世論・アンケート結果です。
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技術校跡地への警察職員宿舎整備計画についての住民説明会
(日時)1月30日(月)午後7時~8時
(場所)大戸小学校特別活動室
 
 
 ◎「大地震等災害発生時の集団警察力確保のため」が理由ですが…
 下小田中町内会と久末町内会への県警施設課の文書は瓜二つの表現で宿舎整備の理由づけを次のように述べています。
「神奈川県警察は、大地震等災害発生時における集団警察力確保の観点から川崎高等職業技術校跡地に警察職員宿舎の整備を進めております」
「神奈川県警察は、大地震等災害発生時における集団警察力確保の観点から久末中小企業従業員共同宿舎跡地に警察職員宿舎の整備を進めております」
  地域の住民のみなさん、住民説明会(1月30日)に参加するみなさんへ。以下はこの「宿舎整備の理由」を検証したものです。ぜひお読みいただき、参考にしてください。
 
◎かつては「人材確保、福利厚生」と言っていました
 宿舎建設の理由については、これまで、「老朽・狭隘化が著しい職員宿舎の現状と有事における集団警察力確保の観点から」(町内会への県警施設課文書)、「①安心・安全の基盤整備に欠かせない集団警察力の確保のために巨大官舎が必要、②優秀な人材を確保するために福利厚生の充実」(08年12月、テレビ番組での県警施設課コメント)などと言ってきました。しかし今回は、「大地震等災害発生時における集団警察力の確保」だけを理由にして、宿舎整備を正当化しようとしています。
 昨年12月、国の方針では警察・緊急参集要員を含め、「人材確保、福利厚生のための宿舎整備は認めない」と決めたことは、すでに紹介してきました。
 
◎国の方針は災害時の参集要員に「職場に近接した宿舎を提供」
 国が昨年12月に発表した「国家公務員宿舎の削減計画」で示された「職務上宿舎への入居が認められる公務員の類型」は次の通りです。
  • 離島、山間へき地に勤務する職員
  • 頻度高く転居を伴う転勤等をしなくてはならない職員
  • 居住場所が官署の近接地に制限されている職員
  • 災害、テロ、経済危機、武力攻撃等を含め、政府の迅速な対応が求められる事件・事故等が発生した際、各省庁が定める業務継続計画(BCP)等に基づき、緊急参集する必要がある職員
  • 国会対応、法案作成及び予算等の業務に従事し、深夜・早朝における勤務を強いられる本府庁職員
  上記の④が警察職員を含む分野ですが、その説明は次の通りです。
「緊急事態等が発生した場合、これに基づき各職員が緊急に参集する体制を全国において整えている。こうした職員(緊急参集職員)は、災害時によって、たとえ交通インフラや通信手段が遮断された場合であっても、迅速に登庁することが求められていることから、国は、これらの職員に対し、職場に一定程度近接した宿舎を提供することが必要である」。
 
 つまり国の方針は、災害、テロ等で緊急参集が必要な要員(警察関係)も含め、宿舎を認める場合も「職場に一定近接した宿舎を提供する」というのが基本です。その点で、下小田中と久末の新たな宿舎に入居する警察職員の勤務地はどこでしょうか。全員、中原署か高津署の署員ということでしょうか。
 国の『削減方針』は、日本が未曾有の大震災を受けて、国民感情に留意し、専門家集団が研究して出した公務員宿舎の考え方です。「国と神奈川県は違う」とか「警察は適用外」などと、例外扱いを強調しないで、この方針・方向性を受けとめて、神奈川県でも「いまのやり方でいいのか」真摯に検証すべきです。
 
◎大震災は中原区と高津区だけに起きるわけではありません
 宿舎計画の最大の推進者である県議(民主党・滝田氏)が最近「大震災などが発生した場合、宿舎にいる警察職員たちは中原警察署に参集して活動する」などと言っているようです。そもそも大震災は中原区や高津区の一部地域に限定して起こるものではありません。滝田氏の理屈では、県民全体の安全確保に責任を持つ県警は県内すべての警察署の近くに職員宿舎を建てることが必要になります。実際は一部で老朽宿舎の廃止・売却が進められており、宿舎をなくす地域は大地震・大規模災害が起きないという判断でしょうか。
 
◎大規模災害時に活躍するのは宿舎の警察職員だけじゃない
 3.11大震災の日に下小田中一帯も停電で真っ暗になり、子どもから高齢者まで怖い時間を過ごしましたが、このとき、信号が消えて危険な「大戸小学校入口」交差点で、交通整理で頑張ったのは、警察ではなく、地元の個人タクシーの運転手さんでした。

 そもそも、大規模災害時に緊急出動、活動するのは、警察だけではありません。消防、医療、国・県・市の職員、民間企業、自主防災組織、各種団体、個人を含め生存するすべての力を総動員して救命救助・救援活動に全力をあげることが、国の防災基本計画や地方自治体の防災計画で定められています。
 「災害による大規模な被害が発生、又は被害が拡大したことにより、本市の災害対応のみでは困難と予測される事態が発生したときに備え、広域応援体制を確立し、国、他都府県、民間企業、各種団体等への必要な応援、協力要請を行い、迅速な災害対策活動を実施する」(川崎市地域防災計画「広域応援体制」より)
  
「集団居住を伴わなくとも…」大阪府警の評価でも
 既存宿舎の大規模改築を行なった「大阪府警寝屋川待機宿舎建替事業」について、府の事前評価審議では「待機宿舎そのものが被災する可能性や通信技術等の技術革新の進歩を考えると、必ずしも集団居住を伴わなくとも緊急的な初動体制を確保できるより効率的な代替手法についても今後検討していくべきではないか」との評価を下しています。こうした他都市の評価も参考にして再検討すべきではないでしょうか。
 
◎警察はすべてが「集団警察力」になりうる~警察庁の見解
 警察庁が説明する「集団警察力」の意味は次の通りです。
「そもそも警察という組織そのものが、何かあれば24時間365日、出ていかなければいけない組織なので、交番、警察署、いろんな部門の警察官が広い意味ではすべてが有事即応する『集団警察力』になりうる。『機動隊』があれば中原区の有事即応に対応できるとも言えないし、中原警察署に集まらなければいけない警察署員のことも念頭に置かないといけないし、『神奈川第2機動隊』も機動隊の任務を負っているから駆けつけなければならないし、県警本部にいる人は県警本部員としての任務のために本部に駆けつけなければならないというふうに、広い意味です」
(2009年7月、警察庁警備局警備課の説明/国会で大庭裕子市議〔共産党〕聞き取りより)
 
 つまり、職員宿舎に住んでいようと住んでいまいと、いろんな部門の警察官が有事即応の「集団警察力」になる、「広い意味」で使われる言葉というのが、警察庁の見解です。
 宿舎を整備しなければ集団警察力が確保できないかのような神奈川県警の説明は、例外的な宿舎整備を正当化するためなら、自分たちの都合で警察庁の見解も歪めて構わないという態度です。「正義」の見本であるべき組織のやることとして残念でなりません。
 警察が大事な問題でこんな統制がとれない、見解を統一できない組織でいいのでしょうか。

 住民説明会では、またこのような事実をゆがめた説明がくり返されるのでしょうか。こんなに無理な理由づけをしてまで、住民の反対世論を無視して、どうしてここに宿舎を整備するのか、だれもが納得のいく説明があるか、1回きりの説明会開催、一方的な説明で打ち切り、建設強行するつもりなのか。
まずは1月30日の住民説明会にみんなで参加しましょう。
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   国は昨年末に『国家公務員宿舎の削減計画』を発表しました(平成23年12月1日、国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会)。公務員宿舎に関する国の基本方針です。(以下『国の削減計画』という) 
  神奈川県警が中原区下小田中と高津区久末の県有地に建設を強行しようとしている警察職員宿舎整備計画がいかに国民感情にも国の流れにも相反する、時代逆行の公共事業であるのか、浮き彫りになります。住民説明会に向けて、連載で紹介したいと思います。
 
(その①) 「福利厚生、人材確保のための宿舎は認められない」
 国の『削減計画』の概要はまず…。
「1.国家公務員宿舎は真に公務のために必要な宿舎に限定し、主として福利厚生(生活支援)目的のものは認めない」
「2.東日本大震災の集中復興期間に当たる5年間は、原則として新規建設は行わない。この間は、極力、耐震改修等で対応し、建替を行う場合においても、新たな土地ではなく、現地建替を基本とする」
 これだけ読んでも、神奈川県警がいま技術校跡地に警察職員宿舎建設を急ぐことはあまりに異常なことだとわかります。この国の方針は昨年12月1日発表、県警が事業者と契約締結(12月26日)する直前に出ていたもの。その国の方向性にそって計画の見直しを行なうどころか、逆にそれが住民に知れ渡る前に慌ててレールを敷いてしまいました。

 『国の削減方針』本文は冒頭、「我が国の公務員宿舎は、戦後、物資に乏しい時代に生まれ、当時、その役割を十分に果たしていたと言えるが、現在の宿舎は、公務員の福利厚生(生活支援)的な側面も少なくない。住宅事情が変化し、また、長引くデフレ状態の下、社宅の売却、福利厚生の削減を行う企業も多い中で、宿舎自体の存在意義が問われている」と指摘。
 さらに「例えば『新規採用職員』について、福利厚生の色合いが強く妥当性を失っているとの指摘や、緊急参集要員については、実際には宿舎に入っていない人も多いとの指摘もある」
「国家公務員宿舎は真に公務のために必要な宿舎に限定し、主として福利厚生(生活支援)の目的での使用は行われるべきではない」
「新規採用職員については、民主党WTの提言において『福利厚生の色合いが強』いと指摘されており、人材確保等の観点だけからの宿舎の必要性は認められない」と続きます。
 
 今回の神奈川県警の宿舎整備計画は、中原区下小田中は世帯向けが180戸、人材確保の色合いが強い単身者向けが80戸、高津区久末は全部単身者向けで80戸です。
 「リクナビ2012」の「神奈川県警察本部」採用データでも、福利厚生欄に次のような宣伝があります。
「○住宅 横浜市内をはじめ、県内に独身寮が約850室、家族住宅が約1700戸完備されています。独身寮希望者はほとんど入居できますが、家族住宅については、空きがあった場合のみ入居できます。マイホームの購入に際しては、部内融資制度があります」
 県民の防災ニーズが急速に高まるなか、県警は「大地震等災害発生時の集団警察力の確保」などという理由づけを強調していますが、今回の宿舎整備計画も「福利厚生」施設以外の何物でもありません。
 公務員宿舎についての国の考えがどう変わろうと、建設を強行し、この職員募集広告の福利厚生欄に「下小田中、久末の新築物件」が紹介されることになるのでしょうか。

 特に下小田中周辺は、ここ数年の景気で福利厚生が削られ、苦心してマンションやマイホームに住んでいる大企業・メーカーなどのサラリーマンファミリーの急増地域です。このまま宿舎建設を強行すれば、地域住民からの批判・怒りがいっそう強まることは必然です。
(次回は、その「大地震等災害発生時の集団警察力の確保」について検証する予定です)

「いまどき、どうして?」「なぜここに?」の理由を聞くために…
みんなで住民説明会に参加しましょう
◎久末地区     本日(1月25日)夜7時~8時  会場:川崎めぐみ幼稚園
◎下小田中地区  1月30日(月) 夜7時~8時  会場:大戸小学校特別活動室  

 昨年秋、新日本スポーツ連盟神奈川県連盟の「跡地を防災公園に」との要望に、県警は「地域開放型で防災に配慮した公園の整備」を進めると回答したことについても、川崎市議会で取り上げていただきました。以下、その部分を紹介します。

◎大庭裕子議員
 県は「地域開放型で防災に配慮した公園の整備」という回答があったことを紹介しましたが、川崎市はこうした定義付けされた公園はないとのことです。9月の議会で、防災公園について質問をした際に、市は防災公園という定義付けはないが、防災機能を有する公園として関係局と協議していくとの総務局長の答弁がありました。防災機能を有する公園として位置づけるために、機能として必要最低限どんな設備や内容が求められると考えているのか、総務局長に伺います。

◎総務局長
 防災機能を有する公園についてのご質問でございますが、はじめに、本市では、平成23年3月に策定した地震防災戦略の具体施策の一つとして「公園緑地の整備推進」を掲げ、災害時の広域避難場所である富士見周辺地区、等々力緑地、生田緑地の3大公園の防災機能を高めることを目標として、位置づけたところでございます。 次に、具体的な整備内容の進捗状況についてでございますが、富士見周辺地区及び等々力緑地の再編整備計画に当たりましては、災害時の避難や救援活動、物資受け入れ等の拠点となるオープンスペースの確保を行なうとともに、延焼防止などの観点から緑化の推進を行なうことや、災害時には緊急車両による物資の搬入・搬出の動線の確保について関係局と検討しているところでございます。
 また、生田緑地につきましては、広域的な防災機能の確保に向けて、避難者支援機能、備蓄機能の充実などの検討を進めており、さらに、当該地内のゴルフ場の防災機能の強化に向けましては、ゴルフ場内を調査いたしました結果、コース上の平坦な場所に避難者用テントを設置できることを確認するとともに、2ヵ所にヘリコプターの臨時離着陸場として確保したところでございます。

◎大庭裕子議員
 川崎市においても防災機能を有する公園となれば、災害時の避難や救援活動、物資受け入れ等の拠点となるオープンスペースの確保等が求められるというものです。 
 県がいう「防災に配慮した公園」というものがどういうものか理解できるものではありません。少なくとも防災という名が付く以上、住民が納得できる公園であるべきと思います。
 今日(12月20日)の日経新聞によれば、国は大規模災害時に利用できる国有地情報を神奈川県内の自治体に提供すると発表しています。国は災害時の土地活用について対応しているのですから、県も呼応した動きを図るべきと考えます。 やはり計画は今からでも白紙にもどし、周辺住民の意見を聞いて見直すべきと思います。本市からも県に要請していただくことを強く要望しておきます。
〔川崎市議会2011年12月20日、大庭裕子議員(共産党)の質問より概要抜粋〕

《若干の解説》 
 防災機能を有する公園とは、この議会質問で市の総務局長が答えた通りです。
 技術校跡地は1万3700㎡という市内最大規模の公有地です。まさか、市の条例で義務づけられている提供公園(全体の6%)程度の広さで「地域開放型の公園を整備」するなどとは言えません。県や県警が市の条例を守るのは当然のことで、そこに県の努力は何もないのですから…。さらに、そこに「かまどベンチ」を設置する程度で「防災に配慮した」などとごまかすとしたら、とんでもないことですね。

 「地域開放型」というなら、従来、少年野球やサッカーができたグラウンド程度の運動広場が造られ、地域住民・子どもたちに開放されるのか。そうしたオープンスペースを確保して、総務局長が言うように、震災時の避難スペースや物資の受け入れ・支給の拠点、延焼遮断帯の確保、大規模な防災備蓄倉庫、耐震性防火水槽などを設置するのは、県警の最低限の社会的責任として当然のことでしょう。
 県有地のムダな使い方がされていないか、住民目線からの厳しい監視とチェックが必要です。近々公表される計画に注目したいと思います。

住民説明会に参加しましょう
1月30日(月)午後7時~8時  大戸小学校特別活動室
1月25日(久末地区)、30日(下小田中地区)と、2つの県有地への警察官舎建設について、急きょ住民説明会の開催が決まった背景には、12月に川崎市議会で私たちの訴えを受けとめてくれた議員の質問があったようです。そのやりとり(議事録概要)を紹介します。

2011年12月20日、川崎市議会での大庭裕子議員(共産党)の質問より抜粋
 
◎大庭裕子議員
 県立職業技術校跡地への警察官舎建設計画について伺います。中原区の下小田中と高津区の久末、2ヵ所の県有地にセットの事業として進められている警察官舎計画は、10月に警察官舎計画の優先交渉権者として「三菱倉庫」という会社が決まったとのことですが、地域住民のみなさんから「跡地利用について住民への説明や住民の声を聞く機会もないまま計画が進められるのは、公共事業としておかしい」との声が寄せられています。

 技術校跡地については、川崎市議会が県に提出した意見書の中で4項目の要望の一つとして「建設計画や進捗状況の詳細等について地域住民に対する情報提供に努めること」を求めています。川崎市としても県への予算要望書の中で「高等職業技術校など従来の利用形態に変更がみられる県施設や土地については、地域の実情を踏まえた有効活用が図られるよう充分な協議がなされるよう要望する」として、市議会と同様に「地域住民に対する情報提供に努めること」を要望しています。
 これら市議会や市からの要望に県や県警がどう応えているのか、この間、県または県警、町内会の主催による住民説明会の開催日、開催回数と延べ参加者数を、下小田中、久末それぞれについて伺います。
 
◎総合企画局長 神奈川県警察職員宿舎整備にかかわる地元への説明状況についてのご質問でございますが、神奈川県警へ照会したところ、下小田中地区での説明につきましては、平成19年8月から平成23年5月までの間に、26回実施したとのことでございます。また、久末地区につきましては、平成18年10月から平成23年5月までの間に6回実施したとのことでございます。
 いずれの回につきましても、参加人数につきましては、正確には把握していないと伺っているところでございます。
 
◎大庭裕子議員 
 
下小田中の技術校跡地について、個人の説明を含めて26回というものであり、説明会は校舎解体工事も含めた4回です。平成22年の3月が最後で、具体的な実施方針が出されて以降も、近隣の方に説明会の案内がポストインされて一般の方々に広く呼びかけた説明会は実施されていません。グラウンドの目の前に住んでいる方は、この7月に警察官舎建設の計画を知ったとのことです。
 そこで説明会についてですが、新日本スポーツ連盟が県に対して、技術校のグラウンドについては「花と緑のスポーツ防災公園の実現を」と要望していますが、県の回答書には、1つは集会所の設置、2つ目、地域開放型の防災に配慮した公園の整備、3つ目に近隣住民への日照についての配慮した計画、この3点が回答されていました。これは川崎市から意見書の中で要望した大事な内容でもありますが、「建設計画や進捗状況の詳細等について地域住民に対する情報提供に努めること」は回答書には明記されていませんでした。そのことで、説明会や意見を直接言う機会をつくらないのでは」「事業者まかせの説明会になるのでは」という声があがっています。
 市から県に問い合わせて、今後の説明会の計画や持ち方について、どのように応えているのか、県もしくは県警が責任ある立場として説明会に当然出席をすべきものと考えますが、伺います。
 
◎総合企画局長 県警察職員宿舎整備における今後の説明会等についてのご質問でございますが、神奈川県警へ照会したところ、施設の整備にあたり優先交渉権者の事業者に対しては、業務要求水準書において、住民説明会を開催して地域住民への説明を十分に行なうことを求めており、県警も同席する意向であると伺っておりますが、具体的な説明方法等につきましては、事業者との契約締結後、調整していくとのことでございます。
(このあと大庭議員は、「防災に配慮した公園の整備」について質問を続けました)=次回紹介予定

《解説》
 この議会での質疑の中で県警が「下小田中で説明を26回実施した」という回答については、だれに聞いても「そんなに説明会は開かれていない」「町会も含めて官舎建設の賛否を住民に聞くような説明会は開かれたことがない」という声があふれています。
 実際に「説明会」といえるものは解体工事も含め、4回しか行なわれていないことが明らかになりました。

 26回実施と言いながら、「説明会への参加人数は把握していない」という点も、いかにいい加減な説明経過であるかを自ら認めるものです。回覧板で一方的に流した文書や、ほとんど個人への説明なのか。
 この間、県警はだれに何を説明してきたのか、市内最大規模の貴重な公有地の使われ方が問われるだけに、民主主義の根幹である住民説明の経過について全貌を広範な住民に明らかにすべきではないでしょうか。
 


  <久末地区>
1月25日(水)午後7時~8時/場所:川崎めぐみ幼稚園

<下小田中地区>
1月30日(月)午後7時~8時/場所:大戸小学校特別活動室

 
  中原区下小田中町内会と高津区久末町内会で、警察官舎建設計画に関する「住民説明会開催のお知らせ」が回覧板で回りました。技術校跡地に関する説明会は平成22年3月以来、約2年ぶりです。
  いずれも、神奈川県警本部総務部施設課、三菱倉庫㈱=代表企業、大成ユーレック㈱=設計・施工担当が出席するとのことです。

レールを敷いてからの説明会は進め方が逆です
  県警文書では、昨年12月26日に事業者と事業契約を締結したので住民説明会を開催するとしています。建設に向けたレールを敷いてからの説明会開催とは、進め方の順番が逆です。
 これまで同計画に対しては、川崎市から県への要望書で「高等職業技術校など従来の利用形態に変更がみられる県施設や土地については、地域の実情を踏まえた有効活用が図られるよう十分な協議がなされるよう要望する」とされ、市議会から県への意見書でも「建設計画や進捗状況の詳細等について地域住民に対する情報提供に努めること」を求めていました。
 それなのに、広範な地域住民との十分な協議も情報提供もないまま、事業者と契約を締結してから説明会を開催するというのは、公有地を使う公共事業としては、あまりにひどいやり方です。「お上が決めて、民がそれに従え」という、民主主義に反する古いやり方です。

一方的な説明で終わりは許されない!
 さらに心配なのが、説明会の開催時間がたったの1時間だけという点。住民は聞きたいことがいっぱいあるのに、参加した住民が発言できる、質疑の時間は保証されているのでしょうか。一方的な説明で終わりというやり方は許されません。
 ひどいやり方に怒りはおさまりませんが、「地域開放型で防災に配慮した公園」の具体的内容など知りたいことがいっぱいあるので、まずは今回の住民説明会に参加して、ひきつづき、幅広く住民の声を聞く場をつくらせましょう。

 
 昨年秋、新日本スポーツ連盟神奈川県連盟は、県に提出した来年度予算要望書の中で、旧県立川崎高等職業技術校の跡地利用について「子どもから高齢者まで憩える、花と緑の『スポーツ防災公園』の実現、東日本大震災の教訓をふまえ、『防災活動拠点』として復活すること」を求めました。

 これに対する県警本部からの回答は「県警察としては、大地震等災害発生時における集団警察力確保の観点から警察職員宿舎を設置しております」などとして同跡地については「県の施策として警察職員宿舎建設用地としての活用の決定を受け、整備計画を進めているところです。今回の宿舎建設計画は、県の財政負担を極力抑えた方式を採用するとともに、地域住民及び川崎市から要望のあった、◎地域住民が利用できる集会所の設置、◎地域開放型で防災に配慮した公園の整備、◎近隣住民への日照について十分配慮した計画としております。地域と共生が可能な宿舎整備計画が進行していることから、御協力と御理解をお願いします」というもの。
 
 今回、警察官舎建設の理由として「大地震等災害発生時における集団警察力確保」が強調され、初めて「地域開放型で防災に配慮した公園の整備」を進めるとの回答がありました。
  戦後未曽有の大震災を受け、あれだけ広い公有地での公共事業だけに、「地域開放型」とはスポーツができる運動広場(震災時には住民の避難スペース)が確保されるのか。「防災に配慮」とはどのような防災機能・防災設備が計画されているのか(食料、飲料水、毛布、簡易トイレ等の大規模な防災備蓄倉庫、耐震性防火水槽・貯水槽の設置など)、「大地震等災害発生時における集団警察力確保」というなら、入居している全職員が大規模災害時に出動して活躍できるようにどのような規模と内容の災害救助活動装備が備蓄されるのか、また、住民が強く求めている「震災時の他都県市からの応援の活動拠点」=防災活動拠点機能が存続されるのか、等々、これらは広範な地域住民にとって重大な関心事です。
 

 神奈川県当局が旧県立川崎南高校の跡地を今年度中に売却することをめざすとした発表を受けて、川崎市が今年9月2日~10月2日まで意見募集を実施、その結果、420人から1738通の意見が提出されました。その内容は、大震災後の世論の大きな変化を反映して、防災公園を求める声が圧倒的です。
 おもな内訳は、①公園等として整備してほしい、②避難場所または広域避難場所として整備してほしい、③売却に反対、④跡地利用について議論をしたい、⑤市で取得または市民が買い取りたい、など。
 意見募集を行なった川崎市も「今回の意見募集では、防災機能を有する公園整備についての御意見が多数ございましたので、防災や緑化といった視点を今後のまちづくりに活かせるよう参考とさせていただきます」とのコメントを付けて結果を発表しました。

《おもな意見を紹介すると…》

◎川崎臨海部は防災性が低いことがわかりました。川崎南高校跡地を防災機能を持つ公園としていただくようお願いいたします。
◎防災機能を持つ公園としていただくようお願いします。いざという時には、仮設住宅を建てたり、防災の拠点になるもので。スポーツができる、市民が憩える公園にしていただければ大変喜ばしいと思います。
◎防災公園となるための諸施設の建設に使うようお願いします。県民の憩いのために使われるべきだと思います。
◎6億円もの土壌汚染対策費を土などでカバーして封じ込め、かつ防災公園機能を持たすため施設の建設費にあてる。これが最も県民税を無駄遣いしない使い方だと思います。
◎ふたたび地域や県で使えて、憩えて、そして、防災拠点となる公園としていただきたいと思います。
◎広大な敷地を活かした緑あふれる公園が良いと思います。こうした公園は災害時に避難場所としても使えます。
◎川崎区はスポーツ公園が少なすぎます。是非、川崎南高校跡地をスポーツができる公園とし、高齢者や子どもたちが憩えるようにしてください。
◎公共用地として、多目的広場、広域避難場所として活用を。
◎避難場所として整備してください。
◎東海、南海地震に備えるため、防災性が低い川崎臨海部のために、広域避難場所として不可欠です。そして、原っぱ公園として市民の憩いとスポーツの場として使わせてください。
◎平塚市では、県立高校をどうするか検討する時に、市民が県から無償で借用し、その間に使いながら検討し、防災機能を持つ公園として市が取得しました。
◎取得に関しては市長が独断で決めることではありません。県有地は県民の共有財産であり、その使い方や取得するかどうかも、県民または市民の意見を尋ねるべきです。
◎取得費に相当する税金は私たちは十分に納めています。税金を無駄遣いせずに、こういった資金に使うようお願いいたします。
◎東日本大震災以降、住民は安全な住環境を望んでおり、過密都市である故に将来的には、日々の生活に近いところに自然を感じられる広い空間が存在してほしいです。

《中原区の技術校跡地でも…》

 さて、同じ県立学校の跡地利用のやり方・進め方として大問題になっている中原区の職業技術校跡地についても、もともと川崎市の地域防災計画で「震災時の他都県市からの応援の活動拠点」とされた防災拠点だったことからも、東日本大震災後は益々、「防災拠点を存続し、住民の命と安全を守る防災公園にしてほしい」「被災地では多くの人が家を失い、不便な避難生活を余儀なくされているのに、神奈川県警はいまなぜ巨大な官舎を建てるのか」など、怒りの声が高まっています。もし川崎南高校の跡地利用と同じような市民意見の募集をいま実施すれば、そのような声が殺到することは明らかでしょう。

 住民の世論・怒りを恐れてか、ここでは、住民説明会も開かれず、住民の声を聞く場も設けず、世論を無視したまま、「コソコソ」と県内最大の警察官舎建設が強行されようとしています。(情報公開といえば事業者募集に関連した内容を県警ホームページに掲載する程度)。
 県民の共有財産である県有地=市内有数の公有地を使う公共事業の進め方としては、前例のない異常きわまりないやり方です。このままでは「地域と共生が可能な宿舎整備計画」を進めることは不可能です。

  埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎建設をめぐって、「公務員宿舎を建設するお金があるなら震災復興資金に回すべきだ」と地元住民、国民の批判が高まっています。

   9月26日、衆院予算委員会で自民党の塩崎恭久元官房長官が、東日本大震災の被災地では仮設住宅の入居率がまだ100%に及んでおらず、台風15号の暴風雨で入居直前に浸水した仮設住宅があることなどを指摘し、「なぜこの時期の建設なのか。先進国G7で公務員や国会議員宿舎があるのは日本だけ。いますぐストップし、復興資金に回すべきだ」と追及。
   同計画に対しては地元住民が工事の中止を求める運動を広げるなか、平成21年11月の事業仕分けで当時仕分け人を担当した枝野幸男経済産業相が「公務員に宿舎を提供しなければならない合理性はない」などと凍結を決めていたものを、昨年、当時の財務相だった野田現総理が建設再開を決めた経過があります。
国民新党の亀井静香代表も、同建設計画について「民が東日本大震災で困り、震災地では住む家もない時に、なぜ公務員宿舎だけ予定通り建設しないといけないのか」と、批判の声をあげています。

 川崎市中原区下小田中の県立職業技術校跡地と高津区久末の県中小企業従業員住宅跡地に同時建設が計画されている県内最大規模の警察官舎建設計画についても、未曾有の大震災前に計画立案された官舎計画に固執する人たちに、この国民新党の亀井代表の批判の言葉を突きつけたいと思います。

 川崎市高津区久末の住民団体のみなさんが、このほど黒岩祐治新知事に要望書を提出。「震災前につくられた住民無視の計画は撤回すべき」と、中原区下小田中の技術校跡地の問題と共通点が多く、住民多数の願いを代弁する内容だと思います。地元の代表の許可を得て紹介します。(以下、要望書全文)

神奈川県知事 黒岩祐治 様
 
東日本大震災の教訓を生かして、川崎市高津区久末の県中小企業従業員宿舎跡地(約4千㎡)への警察官舎建設計画を中止し、地域住民が避難できる多目的ホールや防災施設を併設した特別養護老人ホーム整備の用地にすることを新知事に求める要望書

 東日本大震災の死者・不明者は2万数千人におよび、いまなお約十万人が避難生活を余儀なくされ、福島原発事故からの避難者は神奈川県内、川崎市内にも多数おられ、放射能汚染による深刻な被害が広がっています。
 川崎市高津区久末地区の横浜市との市境の丘陵地帯には昭和40年代に建設された市営・県営住宅(約1400戸)が建ち並び、さらに丘陵西側には450戸、東側に300戸の市営住宅があります。久末地区の3割を公営住宅で占め、その住民の3割が70歳以上と、この地域は市内で最も高齢化が進んでいます。

 高津区は特別養護老人ホームが3ヵ所(入所定員数214人)しかなく、市内7区で最低の整備状況であり、とりわけ高齢化率が最も高い久末地域には一つもありません。また久末地区の公共施設は、寺谷住宅併設の久末地域包括支援センター、プラザ橘(市民館図書館分館)、久末郵便局ぐらいしかありません。震災時の避難所が久末小学校だけではとても足りません。もともと9年前(平成14年3月)に久末町内会が県中小企業従業員宿舎跡地の活用方法として「多目的施設と緊急防災施設の設置を求める請願」を川崎市議会に提出していました。そうした経過や地域の実情を踏まえて、私たちは昨年12月3日には阿部孝夫川崎市長へ、さらには今年1月20日には松沢成文(前)知事へ、同跡地に「多目的ホールと防災施設を併設した特別養護老人ホームの整備」を求める要望書を提出、さらに川崎市議会に1800筆の署名を添えて同趣旨の請願を提出したところです。

 このたび起きた未曾有の大震災は、巨大地震を想定して、この地域、貴重な公有地には、いざという時に地域住民が避難できるスペース(多目的ホールなど)や防災備蓄などの防災施設を兼ね備えた介護施設などが必要であることを浮き彫りにしました。同時に、首都圏にも切迫していると言われる大地震に対する不安にこたえて住民のいのちと安全を守るためには、貴重な公有地の活用方法が警察官舎建設ではないということがはっきりしました。

 同跡地への警察官舎建設計画については、東日本大震災が起きる直前の3月初めに住民の願いを無視したまま「実施方針」が公表され、その直後に未曾有の被害をもたらした大震災が起きても、事業者の意見募集などの手続きが進められていますが、いまだに地域住民への説明会も行なわれません。こうしたやり方に対し、「県民の財産である県有地を使う公共事業の進め方として、あまりに一方的な進め方ではないか」「県警が住民からの地域防災の願いを無視していいのか」と、多くの住民が不信と怒りをつのらせています。

 大震災前に立案・発表された警察官舎建設計画については、地域の高齢者・住民の要望にこたえて災害に強いまちづくりを進めることを最優先する立場にたって現行計画をいったん中止し、見直してほしいというのが住民多数の強い願いです。以上の立場から、新しい黒岩祐治県知事に対し、次のことを強く要望いたします。

《要望項目》
一. 川崎市高津区久末の周辺住民の防災・要望に応えるために、大震災前に立案された県中小企業従業員宿舎跡地への警察官舎建設をやめるよう、神奈川県警と協議し、新知事のリーダーシップで中止・見直しを決断してください。

二. 大震災の教訓と地域の高齢化をふまえ、同跡地は地域住民が避難できる多目的ホールや防災備蓄・防災施設を併設した特別養護老人ホームを整備する用地として確保し、地元自治体(川崎市)と役割分担を協議してください。

  二〇一一年七月二八日

   高津区久末の県中小企業従業員宿舎跡地に特別養護老人ホームをつくる会  代表者 中澤鶴子

川崎市に要請書と署名提出、総務局長と懇談しました
 
 技術校跡地に「保育園とスポーツ防災公園」を求める会は6月27日、新たな署名約1800筆と、大震災を踏まえた要望書を阿部市長あてに提出しました。会から石川正士代表(新日本スポーツ連盟神奈川県連盟理事長)と、共同で取り組んできた「技術校跡地の暫定利用・住民開放を求める会」の浦川勝代表が市役所を訪ね、防災担当の総務局長が対応し懇談しました。セッティングしていただいた大庭裕子市議(共産党)が同席しました。

「あの土地にはいろんな要望が出ていた」と局長
 
 提出した「未曾有の東日本大震災の教訓を踏まえ、災害に強いまちづくりを最優先して防災公園の整備など中原区の旧県立川崎高等職業技術校跡地を活用するよう求める要望書」を読んだうえで、総務局長は、「川崎市には以前から県の施設が少ないんです」と述べ、「あの土地は少年野球などが使ってきて、これからも使わせてほしいという運動がありましたね」「あの土地には特養ホームをつくってほしいなどいろんな要望があります」と述べなど技術校跡地の経過に詳しい様子で、参加した浦川代表(むさし野球部コーチ)は「私たちも使ってきたんですが、追い出されました。子どもたちは困っています」と話しました。
 
局長から「この署名をやってきて地域の住民の反応はどうですか」と尋ねられ、同席した大庭市議から「大震災を経験して、選挙中も、防災公園など広場として残してほしいという声、警察官舎はやめてほしいという声はものすごかった」との説明がありました。
 
せめて半分は広場に…
 
最後に総務局長は、個人的見解としながらも、「例えば、警察官舎をつくるにしても、せめて用地の半分は防災のための広場にして、子どもの運動広場として残すとか、それが政治判断ということではないでしょうか」と持論を述べました。
 
その「持論」は全面的には支持できない内容ですが、一つの見識だと思います。住民の安全を守る防災のために広い貴重な公有地を活用すべきという私たちの当たり前の主張には、市の防災行政に責任をもつ総務局長として否定できず、住民の願いに一定共感してくれたものと思います。行政不信があるなかで、市の局長レベルでも、住民の声に耳を傾けてくれる人がいると思い、少しホッとしたりしました。
 
周辺地域の賛同署名は今回の提出分を含め3万筆を超えました。「住民無視・警察官舎ごり押し」の民主党県議などからの政治的圧力にも屈しないで、防災担当の総務局長をはじめ川崎市当局には、震災から川崎市民の命と安全を守る立場にたって、ぜひがんばってもらいたい。
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