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私たちは川崎市内最大規模の公有地である、中原区の旧県立職業技術校跡地(1万3千㎡)に、認可保育園とスポーツができる防災公園の整備を提案しています。  その4つの理由は、①防災拠点を存続する、②この県有地の本来目的=青少年の健全育成、③地域の実情(子ども人口増加、保育園や運動広場の不足、④住民世論・アンケート結果です。
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 ◎「大地震等災害発生時の集団警察力確保のため」が理由ですが…
 下小田中町内会と久末町内会への県警施設課の文書は瓜二つの表現で宿舎整備の理由づけを次のように述べています。
「神奈川県警察は、大地震等災害発生時における集団警察力確保の観点から川崎高等職業技術校跡地に警察職員宿舎の整備を進めております」
「神奈川県警察は、大地震等災害発生時における集団警察力確保の観点から久末中小企業従業員共同宿舎跡地に警察職員宿舎の整備を進めております」
  この「宿舎整備の理由」に大義はあるのか検証したいと思います。
 
◎かつては「人材確保、福利厚生」と言っていました
 宿舎建設の理由について、これまで県警施設課は、「老朽・狭隘化が著しい職員宿舎の現状と有事における集団警察力確保の観点から」(町内会への県警施設課文書)、「①安心・安全の基盤整備に欠かせない集団警察力の確保のために巨大官舎が必要、②優秀な人材を確保するために福利厚生の充実」(08年12月、テレビ番組での県警施設課コメント)などと言ってきました。しかし今回は、「大地震等災害発生時における集団警察力の確保」だけを理由にして、宿舎整備を正当化しようとしています。
 昨年12月、国の方針では警察・緊急参集要員を含め、「人材確保、福利厚生のための宿舎整備は認めない」と決めたことは、すでに紹介してきました。
 
◎国の方針は災害時の参集要員に「職場に近接した宿舎を提供」
 国が昨年12月に発表した「国家公務員宿舎の削減計画」で示された「職務上宿舎への入居が認められる公務員の類型」は次の通りです。

①離島、山間へき地に勤務する職員
②頻度高く転居を伴う転勤等をしなくてはならない職員
③居住場所が官署の近接地に制限されている職員
④災害、テロ、経済危機、武力攻撃等を含め、政府の迅速な対応が求められる事件・事故等が発生した際、各省庁が定める業務継続計画(BCP)等に基づき、緊急参集する必要がある職員
⑤国会対応、法案作成及び予算等の業務に従事し、深夜・早朝における勤務を強いられる本府庁職員

 上記の④が警察職員を含む分野ですが、その説明は次の通りです。
「緊急事態等が発生した場合、これに基づき各職員が緊急に参集する体制を全国において整えている。こうした職員(緊急参集職員)は、災害時によって、たとえ交通インフラや通信手段が遮断された場合であっても、迅速に登庁することが求められていることから、国は、これらの職員に対し、職場に一定程度近接した宿舎を提供することが必要である」。
 
 つまり国の方針は、災害、テロ等で緊急参集が必要な要員(警察関係)も含め、宿舎を認める場合も「職場に一定近接した宿舎を提供する」というのが基本です。その点で、下小田中と久末の新たな宿舎に入居する警察職員の勤務地はどこでしょうか。全員、中原署か高津署の署員ということでしょうか。
 国の『削減方針』は、日本が未曾有の大震災を受けて、国民感情に留意し、専門家集団が研究して出した公務員宿舎の考え方です。「国と神奈川県は違う」とか「警察は適用外」などと、例外扱いを強調しないで、この方針・方向性を受けとめて、神奈川県でも「いまのやり方でいいのか」を真摯に検証すべきです。
 
◎大震災は中原区と高津区だけに起きるわけではありません
 宿舎計画の最大の推進者である県議(民主党・滝田氏)が最近「大震災などが発生した場合、宿舎にいる警察職員たちは中原警察署に参集して活動する」などと言っているようです。そもそも大震災は中原区や高津区の一部地域に限定して起こるものではありません。
 滝田氏の理屈では、県民全体の安全確保に責任を持つ県警は県内すべての警察署の近くに職員宿舎を建てることが必要になります。実際は一部で老朽宿舎の廃止・売却が進められており、宿舎をなくす地域は大地震・大規模災害が起きないという判断でしょうか。
 
◎大規模災害時に活躍するのは宿舎の警察職員だけじゃない
 3.11大震災の日に下小田中一帯も停電で真っ暗になり、子どもから高齢者まで怖い時間を過ごしましたが、このとき、信号が消えて危険な「大戸小学校入口」交差点で、交通整理で頑張ったのは、警察ではなく、地元の個人タクシーの運転手さんでした。

 そもそも、大規模災害時に緊急出動、活動するのは、警察だけではありません。消防、医療、国・県・市の職員、民間企業、自主防災組織、各種団体、個人を含め生存するすべての力を総動員して救命救助・救援活動に全力をあげることが、国の防災基本計画や地方自治体の防災計画で定められています。
 「災害による大規模な被害が発生、又は被害が拡大したことにより、本市の災害対応のみでは困難と予測される事態が発生したときに備え、広域応援体制を確立し、国、他都府県、民間企業、各種団体等への必要な応援、協力要請を行い、迅速な災害対策活動を実施する」(川崎市地域防災計画「広域応援体制」より)
  
「集団居住を伴わなくとも…」大阪府警の評価でも
 既存宿舎の大規模改築を行なった「大阪府警寝屋川待機宿舎建替事業」について、府の事前評価審議では「待機宿舎そのものが被災する可能性や通信技術等の技術革新の進歩を考えると、必ずしも集団居住を伴わなくとも緊急的な初動体制を確保できるより効率的な代替手法についても今後検討していくべきではないか」との評価を下しています。こうした他都市の評価も参考にして再検討すべきではないでしょうか。
 
◎警察はすべてが「集団警察力」になりうる~警察庁の見解
 警察庁が説明する「集団警察力」の意味は次の通りです。
「そもそも警察という組織そのものが、何かあれば24時間365日、出ていかなければいけない組織なので、交番、警察署、いろんな部門の警察官が広い意味ではすべてが有事即応する『集団警察力』になりうる。『機動隊』があれば中原区の有事即応に対応できるとも言えないし、中原警察署に集まらなければいけない警察署員のことも念頭に置かないといけないし、『神奈川第2機動隊』も機動隊の任務を負っているから駆けつけなければならないし、県警本部にいる人は県警本部員としての任務のために本部に駆けつけなければならないというふうに、広い意味です」
(2009年7月、警察庁警備局警備課の説明/国会で大庭裕子市議〔共産党〕聞き取りへの回答)
 
 つまり、職員宿舎に住んでいようと住んでいまいと、いろんな部門の警察官が有事即応の「集団警察力」になる、「広い意味」で使われる言葉というのが、警察庁の見解です。
 宿舎を整備しなければ集団警察力が確保できないかのような神奈川県警の説明は、例外的な宿舎整備を正当化するためなら、自分たちの都合で警察庁の見解も歪めて構わないという態度です。「正義」の見本であるべき組織のやることとして残念でなりません。
 警察が大事な問題でこんな統制がとれない、見解を統一できない組織でいいのでしょうか。

 こんなに無理な理由づけをして、住民の反対世論を無視して、どうしてここに宿舎を整備するのか、1回きりの説明会開催で打ち切り、建設強行するつもりでしょうか。

(1月30日開催された住民説明会。本当にひどい計画内容が発表され、質疑を通して、警察職員宿舎を建てる大義も道理もないことが明らかになりました。この模様は今後報告したいと思います)
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