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私たちは川崎市内最大規模の公有地である、中原区の旧県立職業技術校跡地(1万3千㎡)に、認可保育園とスポーツができる防災公園の整備を提案しています。  その4つの理由は、①防災拠点を存続する、②この県有地の本来目的=青少年の健全育成、③地域の実情(子ども人口増加、保育園や運動広場の不足、④住民世論・アンケート結果です。
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県職員公舎の全廃方針を打ち出した県知事に対し、12月2日、神奈川県の2010年度予算の編成時期にあたり、私たちの会として申し入れを行ないました。
会を代表して、石川正士筆頭代表委員(新日本スポーツ連盟神奈川県連盟理事長、会員数約4千人)が知事室長代理に会い、申し入れを手渡し、懇談しました。以下、全文を掲載します。

神奈川県知事 松沢成文 様
 
深刻な県財政危機の下、県職員公舎の全廃方針を打ち出した知事は、県内最大の警察職員公舎建設(川崎市中原区・技術校跡地)を「聖域」扱いせず、2010年度県予算案に関連予算を盛り込まないよう求める申し入れ(全文)
                                  
2009年12月2日
技術校跡地に「花と緑のスポーツ防災公園」を実現する会
筆頭代表委員 石川正士(新日本スポーツ連盟神奈川県連盟理事長)
事務局長 向江卓郎
 
松沢成文神奈川県知事におかれましては、厳しい県財政状況の下、「聖域なき改革」に取り組みつつ、県民生活の向上、スポーツ振興等にご尽力されていることと存じます。
私たちは、市内最大規模の公有地である旧県立川崎高等職業技術校跡地(川崎市中原区下小田中)に、子どもから高齢者まで憩える「花と緑のスポーツ防災公園」を提案し、その実現を求めています。
神奈川県警本部は同跡地に県内最大規模(260戸)の警察職員公舎の建設計画を進めており、本年6月県議会では事業手法の調査検討のための補正予算が通過し(現在、三菱総研に委託調査中)、事業手法を固めて関連議案を12月県議会に上程し、2010年度に施設の基本・実施設計予算を盛り込む(2011年12月着工)との意向が報じられています(建通新聞09年6月19日付)。
2010年度県予算編成時期にあたり、この問題について、住民・県民の立場から私どもの見解と要望を知事に申し入れるものです(関連資料添付)。予算編成作業の判断材料として参考にしていただき、見識のある御判断を下されますよう、心よりお願い申し上げます。
 
1.土地利用の転換にあたって、最低限・大前提のルールが守られていません
 
まず、川崎市内最大級の公有地の使われ方が問われているにもかかわらず、その跡地利用の決め方・進め方では、基本的なルールがまったく無視されていることです。
都道府県の公有地も含め土地利用に関する国の大方針である「第4次国土利用計画」(2008年7月閣議決定)では、「大規模な土地利用の転換については、その影響が広範であるため、周辺地域をも含めて事前に十分な調査を行ない…地域住民の意向等、地域の実情を踏まえた適切な対応を図る」よう求めています。
 同跡地では川崎市民にとって「大規模な土地利用の転換」が行なわれようとしていますが、こうした国が定めている大前提のルールが無視され、この地域に何が必要なのか、周辺地域で事前の調査が行なわれず、地域住民の意向(要求)も調査されず、県で一方的に決められ押しつけられようとしていることは、この問題でもっとも根本的な誤りだと考えます。
 
2.同跡地への警察官舎建設計画は「中止・見直しを」が、住民の総意です
 
貴重な公有地の使われ方・決め方が住民不在で進められるのは許されないことから、私ども住民有志は2008年5月に運動団体(現:技術校跡地に「花と緑のスポーツ防災公園」を実現する会、旧:技術校跡地への警察官舎建設計画の中止・見直しを求める会)を結成し、今年5月からは周辺住民のアンケートを独自に実施しました。(回答者数約600人、アンケート結果詳細は別冊「報告集」参照)
その結果、同跡地への警察官舎建設について「中止を含め見直すべき」が95%を占め(「進めるべき」1%)、住民の意向は「中止・見直し」が総意であることが明確になりました。「同校は川崎市の地域防災計画で『震災時の医療・給水など他都県市からの応援の活動拠点』に指定されています。警察官舎が建設されると、この『防災拠点』から外されることについて、どう思いますか」との設問に対しては、「防災拠点を維持し、オープンスペースを確保すべき」の回答が97%に達しました。
 また、周辺地域の住民から寄せられた、同跡地への警察官舎計画の白紙撤回及び中止・見直しを求める署名数は延べ2万6千筆に達しています。こうした住民世論の高まりの中で、昨年12月にはテレビ朝日(ワイドスクランブル)がこの問題を報道(添付DVD)。こうしたなか、今年8月の衆議院選挙・地元選挙区(神奈川10区:川崎区・幸区・中原区)では、同跡地について「防災拠点を維持し、オープンスペースを確保すべき」「どうしても官舎を建設する理由がないと思います」と明言し、同跡地への警察官舎計画は「中止を含め見直すべき」と表明された候補者(民主党の城島光力さん)が当選しています。
 これらの署名数やアンケート結果、メディア報道、地元衆議院議員の意向などからも、同跡地への警察職員公舎計画に「住民合意がない」ことは明瞭です。
 
3.国が整備費の1/2を補助する「警察官待機宿舎」は、ここ数年、整備実績がありません
 
 
警察庁の説明によると、警察官舎には国が整備費(建設費)の2分の1を補助する「警察官待機宿舎」と、都道府県が全額負担する単独事業の「職員宿舎」がありますが、国が半分補助する「待機宿舎」はここ数年、全国で整備実績がありません。(次ページ表)
神奈川県警が技術校跡地に建設しようとしている県内最大の警察職員公舎も、国の補助が出る「待機宿舎」ではなく、全額県費負担となる「職員宿舎」で進めようとしているということですが、未曾有の県財政危機の下で、理解できません。
また、治安対策の位置づけは国の補助がある「待機宿舎」のほうが高い(警察庁の説明)ということです。治安対策の位置づけが低い「職員宿舎」をなぜ同跡地に建てる必要性・緊急性があるのか、納得できる説明をできるのでしょうか。
(警察庁資料:2009年7月、共産党志位和夫委員長・衆議院議員を通して警察庁に質問・回答を得た大庭裕子川崎市議より)
 
*警察庁の通達(警察官待機宿舎等の整備方針について―平成16年8月)では

警察庁の通達は、「地域の住宅事情等を考慮した上で、例えば賃貸型住宅の借り上げによる集団警察力の確保等、費用対効果を踏まえた効率的な宿舎の運用にも配慮されたい」としています。
どうしても必要ならば、貴重な公有地を使わなくて済み、初期投資(建設費等)もかからない賃貸住宅の借り上げで対応すべきです。
 
 
2000年以降、全国の「警察官待機宿舎」の整備数
 
 
改築を含む整備数
新設による
増設数
 
世帯向け
独身向け
2000年度
146戸
28室
5棟
2001年度
157戸
6室
3棟
2002年度
118戸
25室
2棟
2003年度
90戸
10室
4棟
2004年度
20戸
なし
なし
2005年度
20戸
なし
なし
2006年度
20戸
なし
なし
2007年度
なし
なし
なし
2008年度
なし
なし
なし
2009年度
なし
なし
なし
















*防災活動の観点からも「集団居住」の必要性は薄い
既存の防災活動拠点をつぶす計画を進めながら、県警本部は、ここに建てる警察職員公舎に防災活動拠点的な役割をもたせるようなことも言っています。
 しかし他都市の事例では、大阪府・寝屋川の警察官待機宿舎建替事業(「待機宿舎」と名付けていますが府単独事業)の事前評価審議では、「待機宿舎そのものが被災する可能性や通信技術等の技術革新の進歩を考えると、必ずしも集団居住を伴わなくとも緊急的な初動体制を確保できるより効率的な代替手法についても今後検討していくべきではないか」との意見が内部から出ており参考にすべきです。
 
4.「子どもたちを追い出して、今なぜ警察官舎か」―道理のない計画に広がる怒り
 
同跡地への警察官舎建設の白紙撤回及び中止・見直しを求める署名が短期間で延べ2万6千筆も集まり、テレビでも取り上げられるまで話題が広がったのは、子どもたちやその父母など特に若い世代が立ちあがったからです。住民アンケートでも、30代、40代の子育て世代からの回答が大半を占めました。
同跡地は、もともと「青少年の健全育成」という目的で当時の地主が県に提供した土地であり、その趣旨から職業技術校の校庭・体育館が地域の子どもたちや住民に開放されてきたという経緯があります。そして、少年野球、少年サッカーをはじめ、ママさんソフトボール・ママさんバレーなど、年間1万人以上が利用する地域のコミュニティー・スポーツ活動の拠点の役割を果たしてきました。
そうした背景の下、「青少年の健全育成」の仕事を担うべき警察が、子どもたちを追い出して、いまなぜ警察官舎を建てるのか。そうした怒り、憤りの声が、スポーツで子どもたちの健全育成活動に献身している指導者や父母をはじめ、多くの住民の間で急速に広がりました。
 警察庁の説明でも、これまでに全国的にこうした「学校の跡地」「青少年の運動広場」「地元市町村が指定している地域防災拠点」などに「警察官待機宿舎」が建てられた事例は一つもないとのことです。
県財産管理課の資料でも、この間、廃校になる(なった)県立高校・職業技術校31校の跡地利用状況を見ると、防災公園、市民交流拠点、学校新設、福祉・医療施設など、他の跡地はみんな県民利用に役立てられているのに対し、全面的に県警に譲られ独占的に使われようとしている学校跡地はこの下小田中・技術校跡地だけという実態が明らかになり、その異常な使われ方が際立っています。小中学校を含め「学校」というのは地域のコミュニティー活動の中心であり、それがなくなること自体、寂しいことですが、その後に住民がまったく使えない施設が建てられることに、周辺住民から大きな反発が起きるのは必然だと思います。
 これらの多くの問題点から、ここに警察職員公舎を建てる計画が、土地利用転換のルール無視をはじめ、この土地の歴史的経過からも、全国的な状況からも、あらゆる面で異例づくしで道理のない計画であることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
 
*住民の意向と地域の実情を最大限尊重した「花と緑のスポーツ防災公園」構想
 先の住民アンケートでは、「防災拠点の維持、オープンスペースの確保」(97%)とともに、跡地利用の要求では第1位が「グラウンドなどスポーツ広場」、2位が「子どもから高齢者まで憩える広い公園」の2つが突出したことから、私たちは技術校跡地に「花と緑のスポーツ防災公園」構想を提案しています。また、地元町会(下小田中5丁目)も、平成21年度事業計画で「技術校跡地に活動場所が確保できるよう努力致します。子育て、老人クラブ、女性活動等地域活動を促進し、住民の交流を深めながら住みやすいまちづくりをめざすため、地域コミュニティセンター設置等を行政に要請していく」との方針を公表しています。
こうした住民要求にこたえる使い方こそ、「土地利用転換」のルールに則って、地域住民の意向、地域の実情を踏まえた跡地利用計画の対案だと考えます。しかも、警察職員公舎よりも係る費用がはるかに軽減でき、県民・住民にとって公益性・公共性がはるかに高いものです。
  
5.かつてない県財政危機の下で県職員公舎「全廃」の方針を打ち出した一方で、新たに巨大警察職員公舎の建設計画を進めることに、県民の理解は得られません
 
この問題で、いまもっとも重大なことは、かつてない県財政危機の下で、いま進めるべき事業ではない―不要不急の公共事業であるということです。
神奈川県は、来年度予算編成にあたり、「財源不足は(平成)23年度に2,000億円を超え、その後、年々拡大し、26年度には2,600億円に達するなど、危機的な状況が長期にわたって続くと見込まれます。こうした財政状況は、これまで本県が経験し、そして乗り越えてきた財政危機とは異なる、極めて深刻なものと言わざるを得ません」とし、来年度の「予算編成方針」は「聖域を設けることなく、あらゆる施策や事業について、根底に立ち返って、その休止や廃止を含めて見直さなければなりません」と、厳しい態度で臨んでおられます。(平成22年度当初予算の編成について―県政策部長の依命通知)
こうしたなかで、「公舎の全廃・売却に踏み切ることで『極めて深刻な危機』(松沢成文知事)である県財政の健全化につなげる」(日経新聞、平成21年11月20日付)として、県が所有する職員公舎を2012年度中に全廃する方針が打ち出されたことは、たいへん大きな決断だと思います。
11月24日定例会見で松沢知事は、この方針について「県は大変な財政危機に直面している。聖域を設けず事業を徹底的に見直す中で、職員の福利厚生も例外ではない。避けては通れない改革だ」、「交通が便利な県内では自宅があればどこからでも通える。民間の大企業でも経営が厳しくなれば、社宅などをほとんど整理している」と述べられ、国の事業仕分けの作業でも公務員宿舎建設費が対象となっていることについて、「時代的背景や財政状況を考えれば当たり前」と述べられました。(神奈川新聞、平成21年11月25日付)
知事が「財政危機」という理由で、これだけのことを言って県職員を説得し、職員公舎を全廃するという重大な決断をされたのですから、その一方で新たに数十億円もかけて(その後の維持管理費も膨大な)県内最大の警察職員公舎を建設することはありえないと、だれもが受けとめています。それは、事業手法を見直して建設コストが減らせれば進めてよいという計画ではなくなっていると思います。
いまこそ、知事はここにも「聖域なき改革」を貫くのが当然です。
もし、そうした県民・住民の期待と願いに反して、知事が同事業計画を認め、来年度県予算案でそのための関連予算(実施設計も含む)を認めるようなことがあれば、自らの主張とも矛盾し、県庁内外から疑問と批判を招くことになるのではないでしょうか。
「業務公舎」などという例外扱いを持ち出しても、ばく大な血税を使い、それを新設することに県民の理解は得られないと思います。
 
6.「速やかに計画の見直しを」―当面、来年度県予算にも盛り込まないで下さい
 
国の「土地利用の転換の適正化」方針は、「土地利用の転換を図る場合には、その転換の不可逆性(一度失敗したらやり直しができない―の意味)及び影響の大きさに十分留意した上で、人口及び産業の動向、周辺の土地利用の状況、社会資本の整備状況その他の自然的・社会的条件を勘案して適正に行なう」として、「転換途上であっても、これらの条件の変化を勘案して必要があるときは、速やかに計画の見直し等の適切な措置を講ずる」ことを求めています(第4次国土利用計画)。
これまで述べてきた通り、同跡地の巨大警察職員公舎建設の現行計画については「速やかに計画の見直し等の適切な措置を講ずる」必要のある案件であることは明らかです。
いまこそ、住民世論を最大限尊重していただき、現行計画を撤回して住民参加で跡地利用を一から検討していくことを求めます。また、白紙撤回の結論がすぐ出なくても、慎重に対応していただき、当面の2010年度予算案には施設の基本・実施設計を含め建設を促進することにつながる関係予算を盛り込まないことを強く求めます。  以上
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