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私たちは川崎市内最大規模の公有地である、中原区の旧県立職業技術校跡地(1万3千㎡)に、認可保育園とスポーツができる防災公園の整備を提案しています。  その4つの理由は、①防災拠点を存続する、②この県有地の本来目的=青少年の健全育成、③地域の実情(子ども人口増加、保育園や運動広場の不足、④住民世論・アンケート結果です。
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「東京新聞」(平成21年12月19日付)に「川崎っ子は体力不足!!」という、大変心配になる記事(堀祐太郎記者)が掲載されました。
   同記事は「文部科学省の全国体力・運動能力調査で、川崎市の子どもは、全国下位の県内平均よりも、ほとんどの種目で下回った」という内容。
調査は今年4月~7月、市内65校の市立小学5年生と43校の市立中学2年生を対象に実施。「市内の小中学生の男女がいずれも、全国と県内の平均値を下回った」として、「大都市なので通学のために歩く時間が短く、基礎体力が上がりにくい」という市教育委員会のコメントを紹介。しかし記事は「登校時間と運動能力の関連性は不透明だ」としています。
 
その記事の基となった文部科学省の同調査結果をよく見ると、注目すべき項目があります。
 子どもの運動実施状況を調べた設問「運動やスポーツをどのくらいしていますか」(学校の体育の授業を除きます)に対する回答は、①ほとんど毎日(週に3日以上)、②時々(週に1~2日くらい)、③ときたま(月に1~3日くらい)、④しない―4択から選ぶものですが、小学生部門では「①ほとんど毎日」の回答率が、47都道府県で神奈川県は男子が45位(57.0%)、女子が46位(31.2%)と、最下位水準の結果でした。
 
 しかし同じ調査で、運動の好き嫌いを聞く「運動やスポーツをすることは好きですか」という設問で、回答は、①好き、②やや好き、③ややきらい、④きらい―4択から選ぶもので、小学生部門では「①好き」の回答率が神奈川県は男子が20位(74.3%)、女子が10位(57.6%)と上位でした。

 このように、相対的に運動やスポーツが「好き」な小学生の比率が高いのに、それを「ほとんど毎日」している比率が低くなるという結果から見えることは、県内では子どもたちがやりたくても運動やスポーツをする空間的な環境・条件がない、特に劣悪な環境におかれているということです。
 
 その点で注目されるデータとして、身近な児童公園や運動公園を含む「1人あたりの都市公園面積」が47都道府県で神奈川県は最小・最下位という、国土交通省の発表があります。
 2008年度末現在の都市公園の整備状況で、全国平均9.6㎡に対して神奈川県5.5㎡は全国で最も狭く、その中にある川崎市3.7㎡は政令市平均(6.3㎡)の半分程度で、17政令市中ワースト2位(最下位は大阪市3.5㎡、最高は神戸市16.9㎡)という結果でした。
 この結果は、地域の身近な公園やスポーツ・運動広場など子どもの遊び場の不足が、神奈川県とりわけ川崎市は全国比較で際立っていることを示しています。
 
*都市公園面積とは…住区基幹公園(街区公園、近隣公園、地区公園)、都市基幹公園(総合公園、運動公園)、大規模公園(広域公園、レクリエーション公園)、緩衝緑地等(特殊公園、緩衝緑地、都市緑地、都市林、広場公園、緑道)、国営公園の合計。
 
 私たち「技術校跡地に『花と緑のスポーツ防災公園』を実現する会」は、こうした全国的にみて最も劣悪な川崎市の子どもの遊び場・公園不足の現状、少年野球・少年サッカーのグラウンド不足、しかも地元中原区が今後さらに市内で最も子どもが増加する地域であることから、それが住民アンケートで示された要求とも合致しているので、技術校跡地に「スポーツ防災公園」の整備を提案しているわけです。

私たちの会の筆頭代表委員・石川正士さん(新日本スポーツ連盟神奈川県連盟理事長、元法政2高・保健体育教諭)のコメント  「今回の文科省の調査結果は、学校の保健体育やしつけの問題だけでなく、幼児期から小中学生の時期にかけて、子どもたちが外遊びも含めて日常的にいつでもどこでも運動やスポーツを楽しめる環境づくりが急がれることを示しています。子どもの体力不足の原因究明は『登校時間と運動能力』という問題ではなく、とくに川崎市では、身近に外遊びができる運動広場・公園が圧倒的に不足する、空間的な環境との関係こそ解明が必要であり、子どもの身近な運動広場づくりを行政の責任で抜本的に強めることが求められます。市内最大規模の公有地であり、『青少年の健全育成』が目的の土地だった技術校跡地はそのために使うべきです」

 すでに平成13年度にまとめられた文部科学省・中央教育審議会答申「子どもの体力向上のための総合的な方策について」では、「体力の低下は、子どもが豊かな人間性や自ら学び自ら考える力といった『生きる力』を身に付ける上で悪影響を及ぼし、創造性、人間性豊かな人材の育成を妨げるなど、社会全体にとっても無視できない問題である」と問題視。
 
「スポーツや外遊びの空間の減少」として、「都市化や自動車の普及は、子どもたちの手軽なスポーツや外遊びの場であった空き地や生活道路を奪った。…普段着で好きなときに来て、少人数で遊んだり、スポーツすることができる身近な場所は減少している」と指摘し、具体的な方策では「だれでも集まることができるスポーツや外遊びの場『スポーツふれあい広場』の確保」について、次のように提案しています。
 
子どもが日常的に身体を動かすには、個人単位でも子どもが集まって、手軽にかつ安全にスポーツや外遊びができる『スポーツふれあい広場』を各地域で発掘することが必要である。具体的には学校の運動場や体育館などの学校施設や公園、未利用地の活用などが考えられ、例えば、公園については、種々の利用上の規制を緩和し、自由に遊べるようにしたり、公共施設の跡地や利用されていない公共用地などを活用することも考えられる
 そして平成4年に千代田区が小学校跡地を子どもが自由に遊べる、個人でサッカーに参加できる広場として整備したことを紹介しています(千代田区小川広場)。
 
 「子どもの運動不足は心の働きを統合する大脳前頭葉の発達を阻害するため、状況に合わせて感情を制御する能力の低い子どもが増えている」と分析するのは、松本短期大学の柳澤秋孝・幼児教育学科教授。
運動神経が飛躍的に伸びるのは小学校4年から高学年の時期で、第1期の6歳ぐらいまでの幼児期までに基本的な動きができることが前提になると言われます。運動による様々な知的刺激は神経ネットワークを通じて脳へと送り返され、神経系は4歳頃に大人の8割程度にまで発育し、10歳前後にほぼ成熟すると考えられています。
 
 神戸大学の平川和文・発達科学部教授は、「こころの問題では、いじめ、自殺、青少年の事件の凶悪化・低年齢化の問題が増え、からだの面では子どもたちのメタボリックシンドローム等」があるとしたうえで、「今までの流れを見ると、からだの問題が生じた後に、こころの問題が出てきている」と分析。
 そして、このような現状は「子どもの運動環境の変化」「身体活動等を十分に行なうための環境が減ってきたことが大きな原因と考える。このような環境は、決して子どもが望んだものではなく、社会・大人が子どものための十分な環境づくりを行なってこなかったツケだと考える」と指摘しています。
 
 もちろん警察には「青少年の健全育成」という重要な任務があると思いますが、全国で初めて、子どもたちの運動広場だった学校跡地に県内最大の警察職員公舎を建設しようとしている県警本部は、こうした子どもたちをとりまく劣悪な育ちの環境や専門家の指摘をどう受けとめるのでしょうか。

 今なら、まだ間に合います。

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